オタクの壁打ち

今は主にアマプラオリジナルアニメ『ハズビン・ホテルへようこそ』の話をしています

アロマンティックのアラスターに共感すると思ったら自分がグレーロマンティックだった話【ハズビン・ホテル】

今回はほぼ自分語りです

 

アニメ『ハズビン・ホテルへようこそ』は、実に様々な性的指向のキャラクターが登場する
例えばチャーリーはバイセクシャル、ヴァギーはレズビアン、エンジェル・ダストはゲイ、そしてハスクはパンセクシャル(好きになる相手の性別を問わない全性愛者)

(各キャラクターの性的指向はHazbin Hotel Wikiより)

キャラクター一覧 | Hazbin Hotel Wiki | Fandom

 

そんな中でアラスターは、他者に性的に惹かれることのないアセクシャルであり、更に他者に恋愛感情を抱かないアロマンティックでもあって、そんな存在がこの作品に一人いることにすごくありがたみを感じる

様々な指向を持つキャラクターがいる中で、そもそも他者に性的に惹かれず、恋愛感情も抱かない人もいるんだという事も描いてくれる

 

これは私自身が恋愛することに対してあまり、というかだいぶ興味が持てないからだと思う

例えば「彼氏いるの?」とか、「彼氏いない歴何年?」とか、この手の質問は聞かれただけで嫌な気持ちになってしまう
「彼氏がいたら何なんですか?」と思うし、逆に「いなかったら何なんですか?」とも思う
(相手に悪気はないんだろうが)

「どいういう人がタイプ?」とか、「芸能人で言うと誰?」とか、それ系の質問されるのも、「どうでもいい、知らない、興味がない」という気持ちになる

 

恋人いない歴=年齢、はダメ人間みたいな風潮も嫌いだし、クリスマスに恋人と過ごさないぼっちはかわいそうっていう日本の風潮も嫌い
人は誰しもモテたい、恋人がほしい、恋愛したいと思っていて当たり前という前提で話されている感じが

 

私自身が基本的に、自分の人生で恋愛することに重きを置いていない

生きていて偶然好きな人ができた場合にのみ、恋愛に関する興味が発動するという感じ
好きな人もいないのに「彼氏ほしい、恋したい」とは思わない

でも生きていて恋愛感情なるものを抱いた経験はあるから、アロマンティックではないし、あと経験上アセクシャルでもない

 

でもそれなのに、アロマンティック・アセクシャルのアラスターに、特にアロマンティックの面にやたらと共感してしまう

ネットで調べたら、どうやら私は「グレーロマンティック」というものに相当するらしいということが分かった

グレーロマンティックとは、他者に恋愛感情をごくわずかにしか、あるいはめったに感じない恋愛指向のこと

他者に恋愛感情を抱く人(ロマンティック)と、抱かない人(アロマンティック)の中間でグレーということらしい

そして広義では、このグレーロマンティックもアロマンティックに含まれるとのこと

 

思えば、私は長いことオタクしている割に、カップリングというものにちっともハマらないなと思ってた

公式で恋愛関係にあるキャラ、あるいは恋愛になりそうな関係に魅力を感じることもあるけど、個人的にドハマりするのは恋愛以外の関係性ばかり

「このキャラとこのキャラの組み合わせはすごく好きだけど、恋愛してほしいわけじゃないんだよなあ…」「キスやそれ以上の行為をしてほしいわけじゃないんだよなあ」っていうのはよく思ってた

あと流行りの音楽の切ないラブソングに共感することもほとんどない。というか基本ない。関心が湧かない

失恋ソングが恋愛経験自慢のように思えてしまうこともある(作者にそんな意図はないことは分かるが)

カップリングに関しては、私が他人に恋愛感情を持つかどうかとは別の趣味の話だし、
音楽に関しては、恋愛経験の少なさ故に共感できないだけかもしれないけど、

でもこれらはグレーロマンティックだったからなんだと思うと、自分としては納得できるものがある

 

でも一方で、公式で恋愛関係にあるキャラクターの関係性を魅力的に思う気持ちもある

例えば『ハズビン・ホテル』なら、チャーリーとヴァギーは素敵なカップルだと思うし、
ペンシャスがチェリー相手にもじもじしていたかと思えば、覚悟を決めてまっすぐに愛を伝えるのも素敵だし、
ハスクとエンジェルの、恋愛関係になるかもしれないし、ならないかもしれない、なんとも言えない絶妙な関係性も好き

それにラブストーリーを楽しむこともある
近年だとピクサー映画の『マイ・エレメント』めちゃくちゃ好き

 

あと性的指向については、他者(異性)に性的魅力を感じることはまあまああるから、マジョリティ側の「ヘテロセクシャル」(異性に性的に惹かれるという性的指向)なんだと思う。多分

 

でもあと性的指向とは話がずれるかもしれないけど、アラスターの下ネタが苦手という設定も個人的には助かってる
(私自身がエロが苦手なので)

『ハズビン・ホテル』は下ネタだらけの作品世界でありながら、下ネタ嫌いの人もいるんですよということも描いてくれる。ありがたい

 

個人的に、アラスターの下ネタ嫌いについて思うのが「面白い」でも「かわいい」でもなく、
「「「「わかる」」」」
なんだよな。握手したい

私自身が、大人になってもなかなか下ネタにうまく対応できないと思ってたけど、「そうですよね、苦手な人もいますよね」という気持ちになる

 

『ハズビン・ホテル』のような、下ネタを扱ったアニメを一人で見るくらいならいいんだけど(それでも初見時は引いたが)、実際に下ネタ会話に混ざれと言われたら無理。愛想笑いで嵐がすぎるのを待つことしかできない 

 

恋愛や性に関してあまり興味が持てないという意味で、自分は周りと違うと感じてる者にとって、『ハズビン・ホテル』のアラスターという存在は救いだと思う
実際私自身がそう

 

アラスターを知って初めて、自分の中に、「こういうキャラクターに出会いたかった」という気持ちがあったんだなと思った

多様性ってこういうことだったんだと初めて腑に落ちた気がする

グレーロマンティックという概念があったことも、アラスターのおかげで分かった
アラスターがいたから、アセクシャルもアロマンティックも知れたし、グレーロマンティックという概念にたどり着いた

 

他者に性的にも、恋愛的にも惹かれないアラスターの在り方については、これからも肯定されてほしい、というか、わざわざ積極的に肯定されずとも、ただ否定されずに尊重されていてほしいなと思う

 

 

アセクシャル、アロマンティック、グレーロマンティック等について知るにあたって、以下のサイトに非常にお世話になりました
とても丁寧で読みやすいですし、アラスターの性的指向、恋愛指向であるアセクシャル、アロマンティックについて知りたい方に是非呼んで頂きたいです

acearobu.com

 

acearobu.com

 

acearobu.com