今回は『ハズビン・ホテルへようこそ』シーズン1エピソード5の劇中歌「Hell's Greatest Dad」に、単語や熟語、そして曲の注目ポイントなどの解説を交えながら、自分なりの和訳とカタカナ読みをつけてみました
⚠️注意
※カタカナ読みは、英語の発音としての正しさというよりも、私自身が実際に楽曲を聞いて聞き取った音を元に書き起こしています
あくまでもカタカナ読みです。「なんとなくそれっぽく歌えればいい」くらいに思ってください
※筆者は、英語は得意でも何でもなく勉強中です。ご了承ください
(何か間違いがあったら申し訳ありません)
公式動画
Hell's Greatest Dad(ヘルズ・グレイテスト・ダッド)(地獄で最高のパパ)
Hell's:地獄の
greatest:最高の
dad:パパ
※'s と of の違い
どちらも「~の」という意味だが、基本的に's は生物に、of は無生物に使われる
でも「地獄」は無生物では?と思うが例外もあり、「地域名」には 's を使うので、「地獄」もこれにあたる
「地域」は人間(生物)の集まり、と捉えられるためらしい
ルシファー歌い出し
ハッハー、ルックスライク ユークド ユーサ ヘウプ
Haha, looks like you could use some help(*1)
お前は助けを借りられるようだ
could:~できるだろう(「あることが実現可能であろう」ということを示す)
アフォダ ビッボス オブ ヘレンセウフ
From the big boss of Hell himself(*1)
地獄のビッグ・ボスから直々に
※今度は of Hell になっている
先ほど「地域」の「~の」は's を使うと説明したが、ここでは of になっている
(恐らく「所属」を表す of かなとは思いますが自信はないです。すみません)
(ちなみに先の話はあくまで一般論であり、厳密に ’s と of 使い分けている人はいないんだとか)
参考:前置詞ofの使い方。所属、所有、原因、分量、材料を表現する。 | はじはじ英語研究
チェカダディ ズゴイン レビューゾン イェウープ
Check out daddy's glowing reviews on Yelp(*1)
イェルプでパパの熱烈なレビューをチェックして
glowing:熱烈な
Yelp:実店舗についての世界最大級の口コミサイト(こちらがそうです→yelp.com)
(*1) help、himself、Yelp で韻を踏んでいる
(ファイブスター!フラーレス!グレイザン グレイート!)
(Five stars! Flawless! Greater than great!)
(5つ星!完璧!最高オブ最高!)
flawless:非の打ちどころのない、完璧な
greater than:〜より素晴らしい
great:素晴らしい
アウィダ パンチオバ ペンタグレァーム
Oh, with the punch of a pentagram(*2)
五芒星のパンチで
pentagram:ペンタグラム、五芒星形、星形五角形
ア ワッバッ ブーン、アラ カ ゼァ〜ム
I wap-bam-boom, alakazam(*2)
ワッバッブーン、アラカザム
alakazam:アラカザム、特に意味もなく使われる呪文の一種、「アブラカダブラ」や「チチンプイプイ」のようなもの
ユージュレア チャージサカ リソー ラーン
Usually, I charge a sacrificial lamb(*2)
いつもは生贄の子羊が要る
charge:請求する
sacrificial:生贄
lamb:子羊(の肉)
(*2) pentagram、alakazam、lamb で韻を踏んでいる
バ ユーゲッダ ファ〜ミレイ
But you get the family rate
でもお前は家族割引だ
rate:料金
テンクス デァッド!
Thanks, Dad!
ありがとう、パパ!
フーニーザ バスボーイ ナウ ダッ ユーガッタ シエフ?(ワーアーアー)
Who needs a busboy, now that you've got the chef? (Whoa-oh-oh)
シェフがいるのに、誰が給仕手伝いを欲しがる?
busboy:バスボーイ、男性の給仕助手(レストランで食卓を整えたり、ウェイターの手伝いをしたり、皿を片付けたりする従業員)
ミシューレン テイスティング メーニュー フリー ア ラ カ〜ル、タ
Michelin tasting menu, free à la carte
ミシュランのテイスティングメニュー、無料のアラカルト
tasting menu:テイスティングメニュー(1回分の料理を少しずつ集めたもの)
à la carte:〈フランス語〉アラカルト、単品で注文する料理
オ〜イ リグ ダ ゲイム フォー ユー ビー コーズァムダ レアフ
I'll rig the game for you because I'm the ref
お前のためにゲームを操作しよう、だって私が審判だから
rig:不正操作する
ref:referee(審判)の略
シャンパン ファウンテス、キャビア マウンネス、ザッツジャスタ スター!
Champagne fountains(*3), caviar mountains(*3), that's just to start!
シャンパンの噴水、キャビアの山、それくらいは序の口さ!
fountains:噴水(複数形)
(*3) fountains と mountains で韻を踏んでいる
アラスター乱入
フーイズ ビン ヒア シンス デ ワンヌ?
Who's been here since day one(*4)?
初日からずっとここにいるのは誰でしょう?
※「Who's」のところは、個人的に「フーイズ」と聞こえるが、これは現在完了形なので「Who has」の略
💡後述するが、アラスターが歌い出してからのネオンカラーは、パイロット版のオマージュ
フーズビン フェイスフォウ アズ ア ナンヌ?
Who's been faithful as a nun(*4)?
修道女のように忠実だったのは誰でしょう?
faithful:忠実な、誠実な、貞節な
nun:修道女
メクス チョコ ウィデ ノオ タイミ パンー
Makes you chuckle with an old-timey pun(*4)
懐かしいダジャレであなたを笑わせる
chuckle:クスクス笑い
old-timey:昔懐かしい
pun:ダジャレ
(*4) one、nun、pun で韻を踏んでいる
ヨエグ ゼキュテュ プロデュースァー
Your executive producer
あなたのエグゼクティブ・プロデューサー
executive producer:エグゼクティブ・プロデューサー、管理職・幹部、総責任者
executive:実行力のある
producer:製作者、プロデューサー
ザッツ トゥルー!
That's true!
そうね!
アイムヨア ガイ、ヨー デイ トゥ デイ
I'm your guy, your day-to-day(*5)
私はあなたの男、あなたの日常
ヨー チャム ヤ ステッファット ホテリエイ
Your chum, your steadfast hotelier(*5)
あなたの仲良し、あなたの堅実なホテル経営者
chum:〈口語・古語〉仲良し、親友
steadfast:忠実な、信頼できる、堅い
hotelier:〈フランス語〉ホテリエ、ホテル経営者、ホテル支配人
リメバウェナイ フィックス ザッ コー トゥデイ?
Remember when I fixed that clog today(*5)?
今日は詰まりを直しましたよね?
clog:①(管などが)詰まる ②動きを妨げるもの、障害物
(*5) day、hotelier、today で韻を踏んでいる
アイ ワズ スタック、センキュー サー!
I was stuck, thank you sir!
詰まって動けなかったの、どうもありがとう!
stuck:行き詰まった、動けなくなった、移動できなかった(stick の過去形)
sir:〈男性への丁寧な呼びかけ〉あなた、旦那様、閣下、ご主人様
オー ユー!
Oh you!
まあ、あなたったら!
アイ トゥーリー オーーナ ザッ ウィー ビル サッチャ ボーン、ド(オー)
I'm truly honored that we've built such a bond(*6) (aw)
このような絆を築けて実に光栄です(まあ)
truly:実に
honored:光栄に思って(過去分詞)
(※感情を表す分詞は過去分詞で表す。「(チャーリーによって)光栄に思わされている」という受け身表現になる)
built:築かれた(過去分詞)
such:このような
bond:絆
ヨー ライク ダ チャイヨー ダッライ ウィッシュ ザーライ ハード
You're like the child that I wish that I had(*6)
あなたはまるで私がほしかった理想の子です
アー、ワット?
Uh, what?
おい、何だって?
アイ ケア フォ ユー ジャス ライカ ドーラー アイ スポーン、ド
I care for you, just like a daughter I spawned(*6)
お世話します、まさに自分が産んだ娘のように
spawned:(水生生物が)放卵した、卵を産んだ
ホードナウ!
Hold on now!
ちょっと待て!
イツォリロ ファニー、ユ コーウモ コー ミー、デァアーッド
It's a little funny, you could almost call me dad(*6)
これは少々面白い、私をこう呼んでもいいくらいです、パパと
(*6) bond、had、spawned、dad、これらすべて d で韻を踏んでいる
加速するパパ対決
デイ セイ ウェンヌヨー ルッキン フォーア システーンス
They say, when you're looking for assistance(*7)
助けを求めているなら
assistance:援助、支援
イッツ スマートゥー ピック ダ パースオブ リーストウェゼス テーンス
It's smart to pick the path of least resistance(*7)
抵抗が最少の道を選ぶのが賢明だと言います
pick:(深く考えずに・直感的に)選ぶ
参考:「選ぶ」を英語で意味する動詞の意味の違いと使い分け方 | オンライン英会話のWeblio英会話コラム(英語での言い方・英語表現)
path:小道、細道(人が歩くための狭い道)
least:最も少ない、最も小さい
resistance:抵抗、レジスタンス
(*7) assistance と resistance で韻を踏んでいる
アーダー セイダー リンニョー ニーディー アー ゥウァー
Others say, that in your needy hour(*8)
こうも言う、時間が惜しい時は
needy:困窮している
デァズノー サブストゥー フォ ピヨー、エン、ジェリック、パー、ウウァー!
There's no substitute for pure angelic power(*8)!
純粋な天使の力に代わるものはない!
substitute:代わりの、代わりになる
(*8) hour と power で韻を踏んでいる
フージャス ハーペンズトゥ オーソー ビーヨー ブラーッド!
Who just happens to also be your blood!
たまたまお前と同じ血を持つ者だっている!
just happens to:たまたま~する(三人称単数現在形)
サードリ デーアー ターイムザ バ ペァーウェネザ ダ
Sadly, there are times a birth parent is a dud
悲しいことに、実の親が役立たずな場合もある
sadly:悲しいことに、残念ながら
birth parent:実の親
dud:駄目な人、失敗した人・物、役に立たない人
デイ セイ ダ ファーミリー ユー チューズェズ ベートゥァー
They say the family you choose is better
自分で選ぶ家族の方が良いと言いますよ
choose:(選択肢から主体的に)選ぶ(最も基本的で一般的な「選ぶ」)
参考:「選ぶ」を英語で意味する動詞の意味の違いと使い分け方 | オンライン英会話のWeblio英会話コラム(英語での言い方・英語表現)
ワーラー バンチアー ルーザー
What a bunch of losers
なんて負け犬集団なんだ
bunch:束、一団、群れ、集団、連中
キャンニュー バーラウ ロブ マイ ソーン?
Can you butt(*9) out of my song?
私の歌に口出ししないでくれませんか?
can you:〜してくれますか?(「〜してくれる?」といった程度の気軽な言い方)
butt out of:~に口出ししない
(*9)「butt」は「お尻」という意味
💡この時アラスターはルシファーをお尻で押し出している
ヨーソン?アイ スターレ デェス!
Your song? I started this!
お前の歌?私が始めたんだぞ!
アイム シギング イット アイ フィニッシェット!
I'm singing it, I'll finish it!
私が歌ってるんだ、私が終わらせる!
アーユ、ターキ、ピース
Oh, you tacky piece of
この悪趣味な…
tacky:安っぽい、見苦しい、悪趣味な、品の悪い
piece of:~の一部
ミムジー乱入
イッツ ミー、イェッスイッツミー
It's me, yes it's me
私よ、そう私
アイノ ユウォーオ ウェイリン フォミー
I know you were all waiting for me
わかってるわ、皆私を待ってたんでしょ
アイム へァー、ワェーラ ゲァース
I'm here, what a gas
参上したわ、なんて嬉しいことかしら
gas:〈スラング〉とても楽しいこと、面白いこと
トゥッカ ワイル バウラ プレゼンタ ラース
Took a while, but I'm present at last
遅くなったけど、ついに登場よ
present:(人が)居合わせて、出席して、存在する
イッツ ミー、イッツ ミー
It's me, it's me
それは私、それは私
ミムゼ~イェ~!
Mimzy!
ミムジー!
フー?
Who?
誰?
WRITERS:Sam Haft, Andrew Underberg
オマージュ解説
前述した通り、アラスターが歌い出してからのネオンカラーは、パイロット版のオマージュ
特に階段の踊り場でアラスターとチャーリーが踊るシーンはよく似ています
出典:『ハズビン・ホテルへようこそ』シーズン1エピソード5「パパ対パパ」
余談ですが、アラスターは2009年公開のディズニーアニメ『プリンセスと魔法のキス』に登場するブードゥーの魔術師、ドクター・ファシリエによく似ていて、ネオンカラーも作中でのドクター・ファシリエの描写によく似ています
他にも、ファシリエは自身の影が別人格のように動いたり、影を使役したり、魔術を使う時にブードゥーの紋章が現れたり、人形のような魔物を味方につけていたりと、アラスターと共通点が多いです
ここまで来ると相当強く影響を受けているのかと思いきや、原作者のヴィヴィアン・メドラーノ氏によると、「『プリンセスと魔法のキス』が公開されたのはアラスターの構想よりずっと後であるため、ドクター・ファシリエはアラスターの創作に影響を与えたわけではない」らしいです
参考:Alastor | Hazbin Hotel Wiki | Fandom
出典:Hazbin Hotel Creator Vivienne Medrano and Broadway Stars Jessica Vosk and Daphne Rubin-Vega Talk New Show
更に余談ですが、ドクター・ファシリエの英語版キャストは、『ハズビン・ホテル』のハスク役のキース・デイヴィッド
しっかりミュージカルシーンもあります。低音ボイスが素敵です。良かったら見てみてください
ファシリエのミュージカルシーンの公式動画がなかったので、代わりにおすすめクリップ載せておきますね
あと今回扱った「Hell's Greatest Dad」は、ディズニーアニメ『アラジン』の楽曲、「フレンド・ライク・ミー」のシーンに似ているという意見をよく見かけます
曲がジャズ調だったり、『ハズビン・ホテル』の中でもひと際画面の彩度が高くてカラフルだったり、魔法で色々なものを出現させたり、自分の力の偉大さを見せながら、「私はあなたのお役に立ちますよ」と主人公にアピールしたりと、確かに似ていますね
もしかしたら意識しているのかもしれません
どちらもレストランのシーンがあったり
出典:Hell's Greatest Dad Sing-Along | Hazbin Hotel | Prime Video - YouTube
出典:『アラジン』
こちらが『アラジン』の「フレンド・ライク・ミー」
(個人的に子供の頃から大好きな映画なんだけど、やっぱり一生好きだわコレ…)
おわりに
「Stayed Gone」を和訳した時にも思いましたが、やはり韻を踏んでいるところの多いこと
『ハズビン・ホテル』の楽曲ライターさんには本当に脱帽です
以上、「Hell's Greatest Dad」和訳&カタカナ読み&解説でした
ありがとうございました
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